缶のまわりのこと
お菓子のミカタの菓子缶をご使用いただいている洋菓子店さまの声や
缶にまつわるあれこれをご紹介します。
>お客様の声2021-05-11
パティスリーミムラ(京都府)
ハードルを低くして挑み続ける
京都でご家族で経営されている「パティスリーミムラ」さん。店内は生ケーキや、焼き菓子の他にジャム・パン・トリュフ・ゼリーなど、豊富な品揃えです。今回はパティスリーミムラさんの息子シェフ・三村彰さんにお話を伺いました。
︎年中のチョコ作りを始めた経緯を教えてください
チョコレートを食べるのがまず好きで。 修行してたお店では、トリュフを本格的には作っていなかったんです。
一応バレンタインの時期には作るんですが、毎年チョコ作りに慣れてきた頃に バレンタインが終わるというのを繰り返していました。
チョコレートってすごく奥が深くて、ケーキとは全く違う分野の知識が必要なので、やり続けていないとできないなと感じました。
「じゃあ年中チョコレートをやったらできるようになるんじゃないか? チョコレートが好きなのに作れないってどないやねん!」と思って本屋へ行き、チョコレートの本を買って勉強し始めました。講習会へ行って話を聞いていると 何だか出来るような気がするんですけど、実際に作ってみると「あれ?なんか違うぞ」の繰り返し。 去年にやっと自分の狙い通りのものができるようになりました。
︎店内のPOPやHPでイラストがたくさんありますが、 これは三村さんが描かれたんですか?
店内のPOPは描いてますが、HPのイラストは漫画家の友人にお願いして 10年前くらいに描いてもらったものです。当時は僕は全く絵が描けませんでした。修行から帰ってきて、デコレーションケーキの予約が全然入らなくて、これはまずいなと。修行をしてた時に色々なケーキ屋さんを食べ歩いたりしてたんですが、 似顔絵のケーキをしているお店があったなということを思い出して、その足で本屋へ行って『似顔絵の描き方』の本を買って描き始めました。
似顔絵ケーキをとりあえず売ってみよう→注文が入る→絵を描くの繰り返しでやっていくうちに描けるようになっていきました。そのうち「全身の絵も描いて」と言われるようになりました。身体の角度ってどうやって描くのか分からなかったので、それも練習していきました。Twitterでケーキの投稿をたくさんしていたんですが、似顔絵も載せてみたら 「そんなこともできるんですか?」って褒めていただけて。褒められると嬉しくて絵をまた練習するといった感じです。
︎始めるとすごく本格的ですよね!
僕ね、何でもすごいハードルが低いんですよ!上手い人からしたら全然上手くなくても絵を描けてたら『描けてる』んじゃない?っていう感覚です。 何事もそれぐらいのハードルにしとけばいいと思います。How to本や動画サイトでの解説動画など、教材はいっぱいありますしね。僕は気になったことを始めないということは滅多にないです。やってみたらそれなりのものって、誰がやってもできると思います。
︎SNSの活用はどのようにされていますか?
キングコング・西野亮廣氏が始めたレターポットという企画があることを後輩から聞き、勧められたことがきっかけで Twitterを始めました。レターポットの特典にお菓子をつけたら、お客さんがすごく 反応してくれて「これだ!」って思いました。それまではSNSをあまり利用していなくて、むしろSNSは怖いと思っていました。色々な方からご注文をいただくうちにSNSもちゃんと活用したら結果が出るんだなと分かり、続けています。
今ではTwitterは宣伝や集客・人付き合いの意味で欠かせないものになりました。初めはDM(ダイレクトメッセージ)で配送の注文を受けてたんですが、注文の増加やコロナの影響が出てきて今後どうなるか分からなかったので、急いでBASE(ネットショップ)に登録して、配送の対応ができるようにしました。
(ここもまたハードルが低いですよね!)
自分が気になったお菓子はとりあえず作ってみたくて。作ってみたら結構美味しいものが多いのに、売れなくて辞めちゃったものがあります。そういう時にお菓子のミカタの缶を使ってみると、缶をきっかけに買ってくれる人もいたので復活させたお菓子もあります。店頭のお菓子は比較的お求めやすい価格で提供させていただいていますが、新作のフラワーケーキのように材料費や手のかかり具合を加味した価格設定のものは、 配送専用のお菓子という形で作っていこうと思います。
︎働き方への考え方
Twitterを始めてから、職場環境に悩んでいたり困っていたり、なかなか社会に上手く馴染めない。そういう人がたくさんいました。僕も修行をしていた時、5年間の修行の間に僕と1つ下の後輩しか残らなかったです。10年前とかは本当に業界は体育会系で、寝ないのがかっこいいみたいなところがありました。「うちの従業員、入ったその日に逃げてん」みたいなのが自慢話になるような世界だったんです。
辞めていく人ってやっぱり忙しくてしんどくて「もう2度とケーキ屋さんで働きたくない!」って辞めてしまったと思うんです。でもせっかく夢を追いかけて専門学校に通ってやってきたのに、環境が原因でそうなってしまうのはもったいない。環境が違えばもっとお菓子作りが楽しかったかもしれない。最近は設備もどんどん変わってきていたり、働き方改革で国が厳しくなった影響で「どれだけ早く終われるか」っていう考え方に変化してきていたりしているので、早く終わることも出来ないこともないと思います。時代の変化にともなって、そういう考え方の人が増えたらいいなあって思います。
今回お話をお伺いする中で「気になったことはとりあえずやってみる!」という彰さんの物事へ取り組む姿勢がすごく印象的でした。新しいことを始めるときは確かに不安です。でも一歩踏み出してみることで新たな出会いが生まれるきっかけになったり、今まで知り得なかった人と繋がりができることもあります。失敗したっていいから、何事も実験として物事へのハードルを下げてみることはとても大切な考え方だなと思いました。
パティスリーミムラさん、お忙しい中
取材のご協力、本当にありがとうございました!
今回お話をお伺いしたのは...
PROFILE
パティスリーミムラ
- ADDRESS
- 〒603-8443 京都府京都市北区紫竹西野山町44-8
- TEL
- 075-493-4410
- OPEN
- 10:00〜19:00
- WEB
- https://patisserie-mimura.jp